雪国の秋
秋も半ばを過ぎていた。部屋の中にいると、さすがに涼しいが、日向に出ると、眠くなるほど暖かい。庭の木々はおおかた赤く色づき、中には葉を落とし始めたものもある。
ひばの壁根の場の花壇には、白や黄の小さな菊が、日光に浸りきって、ひっそりと光って咲いている、空は高く澄み渡り、ところどころに白い雲の塊が軽くふんわりと浮かんでいる。ついこの間までは、模様のようにたくさん群れ飛んでいた赤トンボも、残り少なくなり、その為か中空が急に広くなったような気がする。どこの学校で運動会でもやっているのか男女の生徒の叫び声が、かすかな木魂をよんで響きわたっている。ほんとに遊ぶなら今のうちだ……
もうしばらくすると、お天気が崩れて、毎日、雨やみぞれが続き、それから白い雪降りだして、来年の四月ごろまでは、深い雪の中に閉じこめられて暗さねばらないのだ。遊ぶなら今のうちだ……
雪国之秋
秋已过半,呆在房间里已感到阵阵凉意,可一来到向阳处,却又是暖洋洋的,令人睡意顿生。院子里的树木大都变红,其中也不乏落叶者。丝柏树墙根的花坛里,白色和黄色的小菊花沐浴在阳光下,静静的开放着,天高云淡,晴空万里,偶尔有几处白云飘在空中。直到前些时候还像花一样结群飞舞的红蜻蜓也所剩无几,也许是这一缘故吧,空中似乎突然变得宽阔起来。好像是那个学校开运动会似的,男女学生的叫声远远的传来,并轻轻的回荡在空中。的确,要讲玩的话现在正是时候……。……再过一段时间,变天之后,每天就会持续下雪或雨夹雪,接下来就会白雪纷飞,被大雪封在家中过日子一直要持续到来年四月才能结束。要讲玩的话,现在正是时候……