海千山千楼
「大磯」といえば、吉田茂元首相を指す時代が戦後の一時期続いた。大磯へ年賀、大磯へお中元の挨拶(あいさつ)、大磯へ架電。神奈川県大磯町に居を構えた吉田氏のことを、まな弟子だった佐藤栄作元首相は日記の中で何度も大磯と表現している。
说起“大矶”,不由想起战后一段时间,用它来称呼原首相吉田茂。为大矶拜年,向大矶致以中元的庆贺,给大矶打电话。吉田的得意门生原首相佐藤荣作多次在日记中将在神奈川县大矶市建立宅邸的吉田称为“大矶”。
東京から南西に約60キロ。多くの政治家が訪れ、「海千山千楼」と呼ばれた邸宅は、死去から2年後の69年、佐藤氏のあっせんで西武鉄道の手に渡った。しかし維持費が年数千万円にのぼることもあり、同社は町への譲渡を打診.経営再建が急務になった昨年、売却話が本格化したという。
东京往西南方向约45公里。许多政治家造访过这座被称为“海千山千楼”的宅邸,在吉田首相去世2年后的69年经佐藤的斡旋交给了西武铁道。但其一年维持费用达到数千万日元,西武公司试探着能否转给大矶市。据报导,去年,经营重建已成当务之急,西武公司已正式商讨了售卖该楼一事。
とはいえ町も財政難で、国に買ってもらって保存できればという声が町民の間で強まっている。近くに住み、署名約5万人分を集め、先月首相官邸に持ち込んだ関野好一さん(76)は「自然あふれる庭園がマンションになってしまっては困る」と話す。
话虽如此,大矶町居民间呼声也渐高,说市里财政紧张,让国家买下来保存不行吗。上个月,关野好一(76岁)收到了住在附近的居民提交给首相官邸的约5万人签名。他说:“如果颇具自然风味的庭园变成公寓就不好了。”
英国のチャーチル元首相は吉田氏より4年前に生まれ、2年前に亡くなった同世代の政治家だ。絵画や回顧録について2人が語り合った記録が残っている。葉巻をくわえた愛煙家としても共通点がある。
英国原首相丘吉尔和吉田是同一年代的政治家,他比吉田早生4年,早去世2年。现仍遗留有他们两人就绘画和回忆录的谈话记录。两人都喜欢吸烟,老是叼根卷烟在嘴边。
晩年を過ごした、ロンドン郊外の邸宅はそのまま残され、観光客に公開されている。書棚や机上は、つい先ほどまで本人が書斎にいたかと思わせる様子だ。
丘吉尔晚年居住在伦敦郊外的宅邸依然保存完好,现在也一直对外开放参观。书架和桌上的摆设,让人感觉丘吉尔本人是否刚刚还身处于书斋中。
大磯も床の間や応接間はきちんと保存されている。しかし残念ながら、書斎はきれいに片づけられていた。押し入れの中に、黒い電話機があった。生前は受話器をあげるだけで、首相官邸につながったという。やってみたが、もちろんどこにもつながらなかった。
大矶的宅邸中,壁龛和客厅也保存得很完好。然而遗憾的是,书斋被整理得太过干净了。壁橱中有一台黑色的电话。据说吉田生前只要拿起听筒就能接通到首相官邸了。笔者也试着拿起听筒,当然,没有打通任何地方。