偽装の論理
その場所を一つ一つ書き出すだけで、この欄の字数は尽きてしまう。きのう、警察が建築基準法違反の容疑で家宅捜索した先は、約100カ所にものぼった。1都5県で、500人以上の捜査員を動員したという。
单单把这些场所一个个地罗列出来,也会把这个专栏的数字用光。昨天,警察以涉嫌违反建筑基本法之名进行搜查的住宅就约达百所。据说(此次搜查)动用了1都5县500名以上的搜查员。
これまであまり例を見ないほどの大規模な捜索だ。耐震データの偽装は、大きな社会不安を引き起こしている。そして、偽装の疑いにからむ関係先は多く、入り組んでいる。事件解明への国民の期待を背にした、捜査機関の構えがうかがえる。
这是一次罕见的大规模搜查。抗震数据的造假引起了社会巨大的不安。而且,与伪造嫌疑相关的部门数量众多,错综复杂。搜查机构背负着国民对事件了解的期待,人们从中也可略窥其所作的准备。
押収した資料は、膨大な数量になる。そのどこかには、偽装を巡って関係者がしてきた様々な行為の痕跡が、暗号のように潜んでいるのだろう。
被没收的资料,数量庞大。而其中,与伪造相关责任人的种种行为的痕迹,或许又像暗号一般潜藏于其中吧。
推理小説作家の日影丈吉に、暗号にまつわる随筆「偽装の論理」があった。「暗号は、読めなくては意味がない。読ませるために、かくす。つまり偽装の伝達である。だから、ただかくすのではなくて、標識をおきながら、かくす」(「日影丈吉全集」国書刊行会)。
推理小说家日影丈吉,写有一篇与密码相关的随笔《伪装的逻辑》。“暗号如果无法读懂的话就失去了存在的意义。正是为了让人读懂,它又隐藏了起来。也就是说,这是一种隐蔽的传达。因此,它不仅仅是进行了隐藏,而且是在设置标识的情况下隐藏了起来。(「日影丈吉全集」国书刊行会)。
偽装の発覚から1カ月あまりがたって、暗号はさらに分かりにくさを増しているのかもしれない。しかし、元建築士を含んだ「偽装の輪」があったのかどうかを明らかにするためには、押収した資料や関係者の供述の辛抱強い突き合わせが欠かせない。
数据伪装暴露,至今已过去一个多月,而暗号却或许又增加了几分难解度。但是,为了明了是否存在着包含原建筑师在内的“伪装圈子”,去对照那些没收的资料和相关人员供述的耐心却是必不可少的。
まだとりざたされていないところでも、偽装が行われているという疑いをもつ人が93%にのぼったと本社の世論調査の記事にあった。列島の至る所で、日に日に不安がふくらんでいるようだ。その発端となった問題の暗号を解くための第一歩が、ようやく踏み出された。
本报民意调查的报道显示:即使在那些尚未进行调查的住所中,怀疑自家房屋有数据伪造情况的居民也高达93%。仿佛日本所到之处,不安的情绪都在日渐膨胀。而如今,去解决作为问题事由的暗号,这第一步终于迈出去了。